「NISAとiDeCoの併用がおすすめなのは分かった。だけど両方に投資するほどお金がないよ。片方だけ始める場合の選び方ってある?」
そんな悩みを抱えていませんか?
投資に回せる資金に余裕がある場合に限りますが、NISAとiDeCoは併用がおすすめです。両方とも非課税で資産運用できるため、大きな節税効果が得られます。
ただし、資金に余裕がない場合もあります。その場合、資産形成をする目的でNISAかiDeCo、どちらかを選ぶと良いでしょう。
そこで、この記事では、元公務員で公務員時代にNISAとiDeCoを併用して資産運用していた筆者が、以下を詳しく解説します。
- NISAとiDeCoの併用がおすすめな理由
- NISAとiDeCoの違い
- NISAとiDeCoの選び方
ぜひ最後までお読みください。
NISAとiDeCoは併用がおすすめの理由【どちらも非課税】
まず投資に回せる資金に余裕がある場合に限りますが、NISAとiDeCoは併用をおすすめします。
両方とも非課税で資産運用できることから、大きな節税効果が得られるためです。
例えば、NISA(つみたて投資枠)で毎月2万5,000円、利回り5%で20年間積み立てた場合のシミュレータ結果が、以下のとおりです。
(画像引用元:金融庁 | つみたてシミュレーター)
最終的な資産額は、約1,028万円となりました。このうち運用益は約428万円です。
通常、投資で得た運用益には約20%の税金がかかりますが、NISAは非課税のため、約86万円の税負担が軽減できます。
毎月積立額:2万5,000円
積立期間:20年
リターン:5%
最終積立金額:約1,028万円(元本:600万円、運用収益:約428万円)
税負担軽減金額:約86万円(約428万円×20%(0.2)=85.6万円)
続いて、iDeCoで毎月2万円、利回り5%で20年間積み立てた場合のシミュレータ結果が、以下のとおりです。(2024年12月1日から公務員は拠出上限額が月間1.2万円→2万円に引き上げ)
(画像引用元:金融庁 | つみたてシミュレーター)
最終的な資産額は約822万円となり、運用益は約342万円です。iDeCoも非課税のため、本来、約68万円かかる税金は発生しません。
加えて、iDeCoは所得控除があるため、約72万円の節税効果が見込めるでしょう。(JIS&Tの節税メリットシミュレーションにて算出)
毎月積立額:2万円
積立期間:20年
リターン:5%
最終積立金額:約822万円(元本:480万円、運用収益:約342万円)
税負担軽減金額:約68万円(約342万円×20%(0.2)=68.4万円)
所得控除による節税効果金額:約72万円
このようにNISAとiDeCoを併用することで、通常の投資で発生する税金を支払うことなく、節税しながら資産形成が可能になります。
若手公務員は投資に回せる資金に余裕がある場合、NISAとiDeCoを積極的に併用することをおすすめします。
NISAとiDeCoの違い【資産の引き出し時期と所得控除】
NISAとiDeCoの違い概要
NISA | iDeCo | ||
つみたて投資枠 | 成長投資枠 | ||
非課税期間 | 無制限 | 最長75歳 | |
最低投資金額 | 100円~ | 5,000円~ | |
年間の投資上限額 | 120万円 | 240万円 | 年間24万円 (月間2万円) (2024年12月1日より年間24万円(月間2万円)に引き上げ) |
運用益 | 非課税 | 非課税 | |
所得控除 | なし | あり (拠出額は全額所得控除) | |
投資対象 | 長期の積立・分散投資に適した一定の投資信託 (金融庁の基準を満たした投資信託に限る) | ・上場株式 ・ETF(上場投資信託) など | ・定期預金 ・保険 ・投資信託 |
手数料 | 無料 | 有料 | |
資産の引き出し | いつでも可能 | 原則60歳以降 |
※iDeCoの年間の投資上限額:2024年12月1日より14.4万円→24万円に引き上げ
※以下のサイトの情報を用いて、表を作成
「NISAを知る」(金融庁)https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/know/index.html
「iDeCoの特徴」(国民年金基金)https://www.ideco-koushiki.jp/guide/
NISAとiDeCoの大きな違いは、資産がいつ引き出せるかと、拠出した金額を所得控除にできるかどうかです。
資産の引き出しについては、NISAはいつでも引き出すことができますが、iDeCoは原則60歳まで引き出せません。
NISAは、結婚資金や教育費、住宅ローンなど、直近への支払いに向いているといえるでしょう。反対に、iDeCoは老後のための資産形成向けといえます。
- NISA:いつでも引き出し可能→結婚資金や教育費、住宅ローンなど直近への支払い向け
- iDeCo:原則60歳まで引き出し不可→老後のための資産形成向け
また、iDeCoは拠出した金額を所得控除にできますが、NISAはできません。iDeCoは、長期運用することで恒常的な節税効果が期待できるでしょう。
- iDeCo→〇
- NISA→×
同じ非課税投資制度でも、NISAとiDeCoにはそれぞれ違いがあります。おすすめは両方の併用ですが、資金に余裕がない場合もあるでしょう。
その場合、資産形成をする目的でNISAとiDeCo、どちらを選ぶかの検討をおすすめします。
まとめ:若手公務員はNISAとiDeCoを併用しよう
若手公務員におすすめするのは、NISAとiDeCoの併用です。
両方とも非課税で資産運用できることから、大きな節税効果が得られます。投資に回せる資金に余裕がある場合、NISAとiDeCoを併用しましょう。ただし資金に余裕がない場合、資産形成をする目的でNISAとiDeCoのどちらかを選ぶ必要があります。
投資する目的はどうあれ、NISAとiDeCoは非課税でお得に資産運用ができる制度です。若手公務員は将来のために、早いうちからNISAとiDeCoで資産運用を始める検討をしましょう。
「公務員だけど、資産運用を始めようと思っている。NISAとiDeCoがお得って聞いたけど理由は?どんな違いがあるの?併用はできる?」