「NISAとかiDeCoに興味があるから始めたいけど、貯金がない。資産運用って、ある程度収入が増えてから始めたほうが良い?」
そんな悩みを抱えていませんか?
結論ですが、入庁してすぐの若手公務員は、資産運用を始める必要はありません。まずは公務員の仕事に慣れましょう。仕事に慣れてから資産運用を考えれば良いですし、入庁してすぐの若手公務員は資産運用よりもやるべきことがあります。
そこで、この記事では、元公務員で、勤続年数10年ほどの31歳で資産運用を始めた筆者が、以下を詳しく解説します。
- 資産運用が必要ない理由3選
- 5つのやるべきこと
ぜひ最後までお読みください。
目次
入庁してすぐの若手公務員に資産運用が必要ない理由3選
- 初任給が安いため、余裕があるといえない
- 生活防衛資金を確保する必要がある
- まずは仕事に慣れる必要がある
①:初任給が安いため、余裕があるといえない
入庁してすぐの若手公務員の初任給は高いとはいえず、金銭的に余裕があるとはいえないでしょう。
総務省の調査である「令和5年地方公務員給与実態調査」によると、一般行政職の初任給の全国平均は、以下のとおりとなっています。
- 高卒:15万8,332円
- 大卒:19万966円
この金額は各種手当を除いた状態であり、さらに税金や社会保険料が引かれる前の金額となるため、実際の手取りの金額ではありません。上記の金額は普通に生活する分を考えたら、余裕があるといえます。
しかし資産運用に資金を費やす場合、余裕があるとはいいづらいでしょう。資産運用は基本的に、余剰資金で行うものです。
100円から始められる投資もありますが、本格的に資産形成を考えるなら、月に1万円以上は費やしたいところです。ただし公務員は普通に働いていれば、毎年昇給しますし、ボーナスももらえます。
資産運用に興味がある入庁したての若手公務員は、数年ほど様子を見てみて、資金に余裕が出てきた段階で始めてみるのも良いでしょう。
②:生活防衛資金を確保する必要がある
生活防衛資金とは「当面の暮らしを維持していくための生活費」を指します。不測の事態に陥った場合に、やり過ごせるだけの費用である生活防衛資金をまずは確保する必要があります。
資産運用は基本的に、余剰資金で行うものです。さらに短期的な資産運用は、資産を増やすどころか損失を被る可能性が高くなります。
生活防衛資金を使って資産運用をして損失を被った場合、生活に困るだけでなく最悪、借金をしないといけなくなるおそれもあります。借金をした場合、仕事にも集中できなくなるでしょう。
資産運用を考える場合、生活防衛資金にだけは絶対に手を出さないように注意が必要です。
③:まずは仕事に慣れる必要がある
入庁してすぐの若手公務員に資産運用が必要ない理由に、初任給が安く、余裕がないことや、生活防衛資金を確保する必要があることを挙げました。
上記2点も重要ですが、もっとも重要なのは、入庁してすぐの若手公務員はまずは仕事に慣れる必要があることです。
今までアルバイトで仕事を経験したかもしれませんが、公務員の仕事はアルバイト以上に責任が伴います。公務員の給与が国民の税金で賄われていることを忘れずに、まずは全体の奉仕者として与えられた仕事に慣れていきましょう。
なお、若いうちから資産運用に目を向けることは、素晴らしいことだと筆者は感じます。筆者は、31歳から資産運用を始めました。21歳で入庁しましたが、31歳まで給与はほぼすべてお酒や遊びに消えていました。
そんな筆者と違い、若手公務員のうちから資産運用に目を向けることは、大変素晴らしく応援したくなります。しかし、まずは仕事に慣れることを優先させて、余裕が出てきてから資産運用を考えましょう。
入庁してすぐの若手公務員がやるべきこと5選
- 与えられた仕事に集中する
- 家計管理を始める
- 節約を始める
- マネーリテラシーを身につける
- 自己投資に目を向ける
①:与えられた仕事に集中する
入庁してすぐの若手公務員がまずやるべきことは、与えられた仕事に集中することです。
何よりも優先させることといえます。
公務員の仕事に集中して取り組むことで、上司や先輩から信頼を得ることにもつながります。
まずは仕事に集中して、慣れることから始めましょう。
②:家計管理を始める
家計管理を始めることも、入庁してすぐの若手公務員がやるべきことの1つです。
家計管理の際には、収入と支出を把握するために家計簿が必要になります。そこでおすすめなのが、家計簿アプリ「マネーフォワード」です。
マネーフォワードでは、金融機関やクレジットカード、ポイントカードなどと連携させることで、家計簿の記帳が自動化できます。
現金支払いの場合、自分でマネーフォワードに入力する必要があります。いちいち手入力するのは、非常に面倒といえるでしょう。
入庁してすぐの若手公務員は、自動で記帳できて、ポイントが貯まるキャッシュレス決済への移行の検討をおすすめします。
③:節約を始める
入庁してすぐの若手公務員も、節約を始めましょう。
節約の対象に固定費と変動費がありますが、まずは固定費のなかの「通信費」から見直すのがおすすめです。
通信費は見直すための作業も少なく、節約効果も比較的すぐに得られますよ!
また、節約としてポイ活もおすすめです。ポイ活サイトを経由して、買い物や旅行などのサービスを利用するだけで、簡単にポイントが稼げます。
気軽にお小遣い稼ぎができるため、入庁してすぐの若手公務員もぜひともポイ活を始めましょう。
④:マネーリテラシーを身につける
「マネーリテラシー」とは、お金に関する知識や判断力、スキルをいいます。
マネーリテラシーがないと、無駄な保険に加入させられたり、ローン会社にだまされたりなど、損をする可能性が高くなるでしょう。そのため、お金の勉強をして、マネーリテラシーを身につける必要があります。
言い方は悪いですが、公務員は特に「だましやすく、カモにしやすい職業」といえます。理由は、給与が安定していて生活に困ることが少ないため、お金の勉強がおろそかになりがちなためです。
実際、公務員にはマネーリテラシーがないと思われているためか、保険やマンション購入など、さまざまな営業がかけられます。職場に営業が来たり、電話がかかってきたりすることも多くあります。
さらに筆者は過去、住居に分譲マンションの営業マンが来宅した際、うっかり職業を公務員と伝えたために、しつこく営業をかけられたことがありました。
当時、筆者は24歳でしたが、公務員と知っただけで営業マンの目の色が変わり、1,000万円以上する分譲マンションを売りつけようとしていることに、恐怖を感じた覚えがあります。結局、嫌々ながらモデルルームの見学までしましたが、値段も値段のため、さすがに契約はしませんでした。
カモにされるところでした。本当に契約しなくて良かったです……。
もしあの時、契約していたら公務員を退職した今でもローンを支払っていたことでしょう。
契約を断った際、隠そうともせず営業マンが悔しそうな顔をしたため、公務員はだましやすく、カモにしやすい職業だと思われているんだな、と感じました。
10年以上前の話ですが、今でも営業マンの悔しそうな顔が思い出せます。
それだけ、自分にとって印象深い出来事だった証ですね……。
筆者の例を紹介しましたが、マネーリテラシーを身につけておけば、だまされず、情に流されずにしっかりとした判断ができます。
入庁してすぐの若手公務員は、お金の勉強をしっかりして、マネーリテラシーを身につけることを心がけましょう。
⑤:自己投資に目を向ける
入庁してすぐの若手公務員は、自己投資にも目を向けたほうが良いでしょう。
公務員の給与は安定していますが、民間を基準にしているため、今後、減ってしまう可能性もあります。そこで自己投資をして、スキルアップを図ることをおすすめします。
今後、公務員の副業や兼業が解禁されるかもしれません。なお、すでに副業が解禁されている自治体は「若手公務員は資産運用を始めると同時に節約をしよう!理由3選を解説」で紹介しています。
スキルを磨いておくことで、副業や兼業に役立つことでしょう。収入を増やすこともできるかもしれません。そのほか将来、事情があって公務員を退職することも考えられます。自己投資をして、スキルアップを図っておけば、再就職や起業もスムーズにいく可能性もあるでしょう。
入庁してすぐの若手公務員は、自分の人生のために、自己投資に目を向けることをおすすめします。
まとめ:入庁してすぐの若手公務員はまずは仕事に集中しよう
入庁してすぐの若手公務員は、資産運用を始める必要はありません。
まずは仕事に慣れる必要があるためです。仕事に慣れて生活防衛資金と余剰資金を確保してから、資産運用を考えましょう。
資産運用以外で入庁してすぐの若手公務員がやるべきことは、以下の5つです。
- 与えられた仕事に集中する
- 家計管理を始める
- 節約を始める
- マネーリテラシーを身につける
- 自己投資に目を向ける
入庁してすぐの若手公務員は、まずはやるべきことに目を向けましょう。
仕事に慣れて余裕が出たときに、資産運用を始めることをおすすめします。
「入庁してすぐだけど、資産運用に興味がある。すぐに始めたほうが良いのかな?」